さて、本数も年数も増えてきたのでそろそろ、全体的な感想を書きたいと思います。
前提として釣り具、特にロッドというのは、嗜好品であると思うので自分なりの感覚のお話になることはご理解ください。
とりあえず今まで使った機種は
WSC-63MH
WSC-63M
WSC-62ML
WSC-67L+
WSS-61L
この辺を使ってきた感想になります。
短めで汎用性の高いモデルばかりですね。
色々眺めてると世の中では曲がる竿だとか魚が暴れないとかアラミドが…とかまあ色々言われてると思うんですが…、ちょっと思うがままに書かせて頂きます。ダラダラいきます。
もちろんモデルごとに違うので、今回は個々ではなく、上記モデルを使って感じた全体的な傾向のお話しです。
経緯
ベイトフィネスロッドの導入を考えていた時期があってですね。
主な使用用途はスモラバのハードボトムでのボトム使用だったんですが、スタックさせてハズしてをし易いロッドに拘ってしまって笑
3社くらい試しながら買って売ってしてたときに、ビタッとハマったのが67L+でした。
デザイン的にも気に入ったので(←個人的に重要)それからだんだんと気づいたら本数が増えてきちゃいました。

元々EDGEシリーズをベースにところどころにロードランナーを混ぜたタックルだったんですが、気づいたら上記のとおりかなり幅広い域をワイルドサイドでカバーするようになっていました。
その中でも個人的に気に入ってるのは全体的なデザインとグリップです。
リールシート
メーカーホームページでも主張されていますが、富士工業製で
ベイトモデルはECSリールシート
スピニングモデルはVSSリールシート

私はリールとロッドグリップを掌の中で複数点で支えるように軽くもって操作することが多いので、小型細身なグリップまわりは非常に気に入っています。同じような握りやすさを求める人は多いと思います。
かといって強く握りこむときも違和感なく使えます。
好みですがスピニングなんかはチームダイワSシリーズで使って以来、細身のアップロック形状が好きなので、なにげにすごいVSSで嬉しいんですよ。
デザイン

もともと派手派手しくなくシンプルなものが好きなので、ブランクスの絶妙でシックな色調がお気に入り。スレッドまわりも主張しない感じがいいですね。
操作時に目に入る手元側のスレッドに、シルバーラインがあるのが地味に効いてると感じます。

そうなると紫のワンポイントが邪魔かなって思ったんですが、不思議なことに慣れてくるとこれがないと寂しくなっちゃうんですよね。アニバーサリーモデルを目にしたときに思いました。笑

あとね、地味にクリア塗装。
どうしても車でも運搬中やボートデッキ上でもガチャガチャなってしまうので、個人的にはあるほうが安心。
好みではありますが、トータルで秀逸だと思ってます。
全体感
まず全体的な印象ですが、心底思っていることを誤解を恐れずに言えば、いい意味で
いやもう十分でしょって感じです。
現代のスタンダードとも言える絶妙なラインと言いますか。
突き抜けたモノはないかもしれませんが、使用感は明らかにエントリーグレードを超えるものがあります。
ラインナップと使用感にお値段。あとはデザインが気に入れば十分じゃないですか。

まあ今時の設計のロッドなんてそこそこの価格帯なら何でもそう大きくは変わりません。
デザインとグリップ優先で選んじゃってましたけど、どんな竿でも多少なりとも味付けや特性っていうのがあって、それはある程度使い手側が理解して合わせていかなきゃいけないものなんですね。
市販品を買う以上どうせ合わせて行かなきゃいけない範囲はあるので、何を買うにしてもあまり気にはしないんですけど、ワイルドサイドは決して癖が強い類の竿ではないので、普通に使える範囲だと思います。
ささいな部分に拘るのが趣味の楽しみでもありますが…。

なんて、今のハイエンドをろくに使ってもいない私が言っちゃうのも変ですが、サラリーマンパパバサーの観点から言うと価格帯と性能のバランスは魅力です。
だいたい新品2万円台中古1万円台な価格帯も、ミドルクラスのグレードを求める人にとっては良い選択肢になるんじゃないでしょうか。
なんだかんだ言ってもお父さんが手が出る価格帯に収めてくれてるのはありがたい限りですよ。
使用感
曲がるって聞いてたので、ステンレスガイドの重さで曲げる的なのかと思いきや、小口径化して重さのデメリットを消して、ガイド重量を感じさせないバランス取りになっています。
使用感としては、確かに突出した性能なんて感じは受けないですが、目立つほどの鈍さもなく、ミドルクラスとして一般的で必要十分なシャープさだとおもうんですけどね。
今時1万円以上する竿なら何でもそうですけど、感度も十分実用範囲で問題もないと感じます。
むしろ竿に感度を求めるよりもラインやタックル全体のセッティングを見直した方がうんぬんかんぬん。

さて、世によく見る曲がる竿という評価について、残念ですが私はワイルドサイドがそんなに曲がる竿だとは思ったことがなくて…。
個人的な感覚なのと、ショートレングスシリーズばかりだからかもしれませんが、逆に操作感とフッキング時の曲がり止まりをよく考えられてる竿っていう感覚があります。
ベリー部が曲がり始めの早い段階で、強さと粘りをだすのと、全体に早めに一度曲がり止まるイメージ。
これが不安定な小型船上での使用や、態勢がとれずに手アワセになってしまうようなときでもフックアップに貢献します。
そういう意味では房総始めレンタルボートな方々に人気があるのもわかる気はしました。

ラインを通すと思ったよりベリー部から強さがでるとも言えて、人によっては、パワー表記よりも強めに感じたり、硬みに感じたり、意見の分かれるところかと思います。
曲がり始めるとすぐもう戻る力が若干強めに立ち上がっているっていう絶妙な感覚とでも言うのでしょうか。これがわずかにですけど感じ取れるんですけど伝わるでしょうか…。
張りとか硬さ感とは近いけど違うんですけど、妙な強みというか、ここらへんがアラミド効果なんでしょうかね。

まとめると、私は元々旧来の全体が曲がり込むロッドを使ってきた期間が長かったせいか、操作性とフッキング性能にポイントを振りながら全体のバランスをまとめてるんだなっていう印象を受けてます。
だから投げやすいとかキャストのことを考えてるなーとは感じないんですよね。(^^;
モデルによると思いますが自分が使ってきた番手は、ルアーの重みを手元まで乗せるっていうのが(もちろんウエイトにも依存しますが)しにくくはないんですが、しやすくもなく…。
キャスト時には曲がるというより曲げるという感覚が多少ついてきますね。つまりわりと普通なんじゃないかなってことです。
巻物用のモデルだとまたぐっと印象は変わりそうですが。

もちろんバランスよく作ってあるんで投げいくいっていうことはないんですが、これは良い悪いではなくてバランスの問題で。別に文句はありません。
逆にバットのクッション性に過度に期待をしすぎるのは危険ですね。
もちろんビッグフィッシュとのパワー勝負になるとグリップまで全体に曲がり込むのですが、要する力は相応のものなので、手前で突っ込まれたときやフルフッキングのときなど、ラインが細いときは特に曲がる竿なんて意識はしないほうがいいと思いました。
でもワイルドサイドの適度な曲がり止まり感覚は好きですよ。
魚が暴れない?
これがですね、ちょっとよくわからなくて。
反発性の低さを言っているんでしょうか。
youtubeやネットでもよく目にしたんですけど、まあ正直これは、この竿だからとかアラミド入ってるからっていうことではないと思うんですよ。
基本的に魚は、無理な力や急な力の加え方をするほど暴れるので、硬さや釣り人側の技量の問題だと捉えています。

曲がった竿の復元が穏やかなほど魚に加わる力も穏やかになるという意味では、竿の性能が多少なりとも影響はするのかもしれないですけれど…。
硬いモデルなんかはそれこそ変わらないんじゃないかなと。
なので魚が暴れないっていう意見に関しては、これは正直ラインやドラグを含めたタックルバランスや技術による部分のほうが大きいと思いますが、どうなんでしょう。私が未熟なだけかもしれませんが。
折れる
ワイルドサイドが折れるっていう意見を目にしてたんですけど、個人的にはこれはもうしょうがないのかなと。笑
確かメガバスが初めてロッドを作った時も、メジャークラフトが立ち上がったときも、折れるって話が沸いたと思います。そしてだんだんと聞かなくなっていく。そんな流れがいつもある。
なのでもうすぐ聞かなくなるかなって思ってます。
これはね、感覚の話になってしまいますが、新しいと注目されて話が広がりやすいとかじゃなくて、事実折れると感じてます。
というか、一定の不具合品率は絶対あると思うんです。工場の作業員がまだ熟練していなかったりとかするんですかね。(あくまで個人の想像です。)
根拠はありません。あくまで経験の中でそう感じてるって話です。
私自身もけっこうロッド折れは経験してますので…。自分が悪いのも、何が原因かわからないのも含めて。
折れて許されるのは昔からウエダのPro4だけです…。笑

自分の経験としても、62MLのティップが軽いキャストでポロっと折れてたり、知人の610L+のティップがシャッド巻いてたら取れてたりしましたから笑
ワイルドサイドとしての自分の折れ経験はこの1回ですね。
悪くは言いたくないですけど事実として経験してるからしょうがないです。
ただ、この折れ方はレジットさんに限った話ではなくて。
過去、他メーカーの新品購入時にも同じようなポロリ折れは経験してます。
そのときもクランク巻いてて途中で巻き感変わったなーと思ったら第2ガイドらへんから先のティップが取れてたんですね。(笑)

気付いたらポロッととれてる、そういう折れ方ってあるんですよね。
根拠のない浅はかな素人感覚ですが、製造時のささいな不良などが曲がる部分に重なって、振動や温度変化でなにかが発現するような感覚。そういう風に感じます。
経験上の感覚でしかないですが、ちなみにこのパターン以外で折れたことがあるのも自分の場合は温度変化の大きい時期が多いですね…。
色んな意見がありますが、なので私は100%釣り人側の扱いの問題とは思ってないんです。中には検品をくぐり抜けた初期不良もあるでしょ絶対、と。
松山さんも様々な不良が発生する事実を受け止めた上で、それらをしっかり検査すると言っています。
でも、工業製品としてみれば、初期ロットの危険や、ときおり混じる不良品は覚悟するしかない部分もあるとも思ってます。
いくら検品だと言っても目で見て手で触って、1回2回曲げたぐらいで分かることには限界がありますし。どこのメーカーに限らずですが製造段階での不良が原因で折れるって言うのは、悲しいかな基本的にロッドメーカーはよほどのことでない限り認めません。
これは簡単に認めてしまったら悪行が止まらなくなるって言うことにも起因してると思います。またメーカー側の立場に立って考えた時にはある程度仕方がないかなと理解もできます。
折れた人の憤りもわかりますが、なので余程の割合で発現しない限り消費者側も理解するしかないものかなって諦めてる部分はあるんです。あんまり酷かったら怒るけど。
私の場合はまだ1回なので、個人的には許容範囲内という判断ですが…。その1回以外はけっこう使い込んでるけど全然平気なので。
ただ一つだけ。
免責額は安くして欲しいですね。( ノД`)
なので、加入している傷害保険に携行品保障をつけていたので、それで治しました。治したというか同じモデルを新品再購入で、費用を保険会社から出してもらった感じです。ほぼ負担なしだったんで良かったですけど。
釣り具は高価ですからね、釣行頻度多いひとは何らかの保険に入っておくことをおススメします。
色んな意味で安心できます。
おわりに

2014年にレジットデザインが起業され、翌2015年に発売されたWILDSIDE。
2021年を迎えてなお、主力商品であり続けています。新製品サイクルが早くなる昨今において6年モデルチェンジなしで売り続けてくれるのはありがたい話。それだけ売れてるってことなんですかね。
大手でないからこそできることなのかもしれませんが、一本一本が考えられた基本設計がされているので時を超えて使えるということでもあると思います。
しばらく使ってると思います。
ただ、63MLつくってほしいなあ…。63Mと同じアクションで。
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