クリスタルSシリーズは、ワイヤーベイトの雄、田辺哲男氏がプロデュースするスピナーベイトシリーズ。
中でもオリジナルモデルは、スピナーベイトの武器であり特徴でもあるアピール度の強さを生かした上で、バランスよくまとめたスピナーベイトです。
軽快に巻き込んでいける一般的なスピナーベイトとは一線を画す引き感。
トルクフルなブレードの回転と揺れ。
バイブレーションというよりはもはやブンブンとした揺れを感じる引き心地。
存在の強さでスイッチを入れるイメージ。
特にマッディーシャローに強く、ビッグフィッシュが反応するなにかがあるとしか思えない釣果。
オリジナルモデルは、強いスピナーベイティングを体現するクリスタルSシリーズを理解する入り口にはぴったりだと思います。
クリスタルS
オリジナルモデルは現在3/8oz、1/2ozの2モデルが販売されています。
ウエイト | ブレード | ビーズカラー |
---|---|---|
3/8oz | タンデムウィロー(30/40) | 赤 |
1/2oz | タンデムウィロー(35/45) | 緑 |
詳しくはメーカー製品ページ
実重量は、
3/8ozモデル 約18g
1/2ozモデル 約21g
サイズ感としてはスタンダードサイズ。
ただスカート量が多め長めなのでしっかりとした存在感があります。このスカートはコシが弱めでよく水になびくタイプのスカートです。
最大の特徴は、一方向への強いフラッシングを発生させる、フラット面が大きくとられたVブレード。
ファインワイヤーとのコンビネーションで、しっかり水を掴んで大きく回り、強い振動を生み出します。
一般的にはハンマードタイプ等光を錯乱させるブレードタイプを採用するスピナーベイトが多いなか、ツルツルで大きな平面をとったVブレードには硬派を感じます。
クリスタルSのラインナップは豊富で、メーカーもタイプによって以下の使い分けを解説しています。
国内メーカーでこれだけの種類のスピナーベイトを販売してるメーカーはなかなか無いんじゃないでしょうか。
インプレ
同じクラスで比較してもトップクラスのアピール力を誇るクリスタルSは、とにかく強さっていうキャラクターがはっきりしてるが故に際立って使い分けがしやすいですね。
じゃあとにかく強ければ良いのかっていうとそうじゃなくて、
全体として絶妙なバランスにまとまっているクリスタルS。
ブレードコンビネーションがタンデムウィローのみなので、ブレードタイプに迷わないのも個人的には〇。
ちなみにシングルブレードがないのは、田辺氏がブレード同士の当たる音も重視しているからだそう。
存在感がステイン~マッディーの水色に良く合って、ヘッドと長めのスカートを揺らしながら泳いできます。
スローぎみのリトリーブに相性が良く、引き抵抗を生かしてゆっくり巻くのがおススメ。
引き抵抗がそのまま浮き上がりの良さにも繋がっていて、シャローレンジでの扱いやすさを感じます。
ショアラインの葦周り等ベジテーションカバーや、ウッドカバー周りをゆっくり巻くときの雰囲気なんて最高ですね。
逆に軽快に巻いて早々と流していきたいときには合いません。そんなときはディーパーレンジや他のスピナベにしたほうが良いでしょう。
もちろん年中つかえるクリスタルSですが、自分的には春~初夏を中心に出番が多くなります。秋口はなんとなく軽い巻き感の他のスピナーベイトのほうが出番多め。
あとは、状況は良いはずなのに弱い釣りでまったく反応がないようなとき。
バスのスイッチを入れる手段の一つとしてローテーションします。
また、スピナベ自体が風に弱いところはありますが、Vブレードの大きさと重さでよりヘッドとブレードに重心が分かれやすい分、キャスト時に回転しやすい。
これは持ち味とトレードオフの関係になってしまうのでしょうがないですが、風の中では投げにくさを感じることも多々。
なので飛距離やぶっとびを期待するのは間違いです。
飛距離重視のときはウインドレンジやディーパーレンジにするとかなりストレスが軽くなります。
コシの弱いスカートがヘッドにひっかかったまま泳ぐこともあるし、キャスト時の回転しやすさも感じるし、強さが故にいつでも使えるスピナーベイトではないかもしれないけど、それでも外せないのは結局良いサカナが獲れるから。
グッドコンディションのデカバスを引っぱってくれます。
ラトリンログが、軽くて飛ばないのにそのデメリットを打ち消すアクションと釣果で外せないっていうのと似ているかもしれません。
ある時に買っとかないと次いつ買えるかわからないことの多いノリーズ製品ですが、クリスタルSのオリジナルモデルは割と見かける頻度が多い方。
スピナベは消耗品なので価格と流通量は助かりますね。
タックルは一般的な考え方で、3/8ozはMクラス、1/2ozはMHクラスを基準に組めば大丈夫。ただリールはハイギアすぎると、ラインが張りすぎてクリスタルSを引き続けるのは辛く感じます。
おわりに
スピナーベイトはそれ自体がアピール力の高いルアーです。
なかでもより強さを生かした設計のクリスタルSは、スピナーベイトの効き時を学ぶにもぴったりかもしれません。
オリジナルモデルは良い意味でクセがあるとも言えますが、スピナーベイトのより深い理解にも一助になってくれるでしょう。
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