クランクベイトの原点として、ルアーの歴史に必ずでてくる「Big-O」。
ビッグオーは現代的なクランクベイトの元祖と言われています。
1967年のフレッドヤング氏が作ったバルサウッド製クランクベイトがオリジナル。
当時のモノはさすがに高価なコレクターズアイテムになっちゃってますし、手はだせないですけどね。
Big-O自体は今も販売されていますが、やはりオリジナルとはもはや素材もなにもが違うもの。
オリジナルを知らないのでどこまで近いのかわかりませんが、ウッド製の復刻版を手にすることができました。
何に心惹かれたかってもうね、このカラーがぐっときますね。
歴史を調べました
昔のことすぎて真実が確かめようもない部分もあり、文献や発信者によって矛盾する部分もあるので参考に。
復刻版インプレ
この2つだけでもリップの付き方やラインアイの出方がちがうのはアメルアらしいといえばらしい。
重さは約18g。5/8ozクラス。
ボディ部約8㎝、リップ込みで約9㎝ほど。
なぜかうちにあった古いプラスチック製ビッグオーC80と比べるとボディ前方の体積が大きくなっていて、テールも太目な気がします。
リップは若干エッジが効いてる様子。
9月末の新利根川でちょっと投げてきました。
ともあれウッドもプラも水面下で引くとメラメラ系の波紋が大きくでて、しっかり力強く水を撹拌しているのがわかります。
ラインアイやフック用のリグが細い鋼線なこともあって、今の時代にはガンガン使っていく実用機とは思えない部分も感じます。
それでもいやいや、楽しい楽しい。
少し前にマグナムクランクの流行りがあったおかげか、ビッグオーのボディも特段大きくは感じません。
重量もあるので投げやすいですし、カラーリングもキレイなので投げてるだけで楽しいモードになってしまいました。
素材もサイズもあって、ピンポン玉かってくらいの高浮力で、水面使いも良さそう。
なので、もう少し早い時期にやりたかったですね。
リトリーブは今回のセッティング(12lbフロロ)だと1m潜らないくらい。クランクベイトらしいブリブリウォブロールアクションを見せてくれました。
プラスチック製とも比べてみましたが、プラ製のほうがより頭をふってアクションはオーバーワイドでした。
パッケージ裏の商品説明
裏面の商品説明を転記しておくので興味がある人は見てみてください。
Fred Young’s Big O
In the early 1970’s,Fred Young began “whittlin”‘Big O’s while he was laid up in a body cast because of an accident at work.
He gave some of his lures to his brother,Otis who,as a rather large fellow,was known in Oak Ridge,Tennessee as “Big Otis”…hence the lure’s name,”Big O.”
Otis was,at the time,actively fishing local bass tournaments and winning many of them with his brother’s then prized Big O.
It is reported that,in all the years Fred Young carved Big Os,he turned out in excess of 3700 lures,every one signed and numbered.
These lures are a prized and valuable possession of many antique lure collectors today.
This rendition of Fred Young’s Original Big O is just as much of fish-catcher as those early models.
The colors and design of these lures are ones originated by Fred Young hiself.
Soon,a new generation of bass anglers will be winning tournaments and making big catches on the new generation of Original Big O’s!
けっこう心配な部分もありますがグーグル翻訳の力を借りながら、意訳してみました。
英語が得意な方は自分なりに読み解いてみてください。
フレッドヤングのBig-O
1970年以前、フレッドヤングは、職場での事故のためにギプスをして動けずにいる間、ビッグオーを削り始めました。
彼はそのいくつかを彼の兄弟オーティスに渡しました。彼はかなり体格がよかったので、テネシー州オークリッジでは「ビッグオーティス」として知られていました。それ故にルアーの名前は「ビッグオー」です。
オーティスは当時、積極的に地元のバストーナメントに参加していて、多くの優勝を獲得すると共にビッグオーも高く評価されました。
フレッド・ヤングは全部で3700を超えるビッグオーを彫り、そのすべてに署名とシリアル番号が付けられたと報告されています。
これらのルアーは、多くのアンティークルアーコレクターの間で高価で貴重な所有物となっています。
この復刻版は、それらの初期のモデルと同じくらい釣れるものです。
これらのルアーの色とデザインは、フレッド・ヤング自身が考案したものです。
間もなく、新世代のバスアングラーがトーナメントで優勝し、新世代のオリジナルビッグオーで大人気を博します!
※実際にはサインは入っているものと入っていないものがあるようです。
おわりに
いろいろ言われてますが、今や昔のことすぎてもはや真実を知ることはできないですけどね。
ざっとでも歴史や背景を知ると感慨深いものがあります。
今回の復刻版は、色使いや質感が心に沁みるものがありました。
3700個作られたとされるフレッドヤングお手製のオリジナルモデル、いつか一回くらい投げてみたいですね。
クランクベイトの系譜の元祖として歴史に刻まれるBig-O。
それまでもリップのついたルアーはあったがミノーの延長としての存在であり、動きによるウォーターディスプレイスメント、つまり水を押しのける動きをバスを誘うために組み込み、リアクションを意識する観点を導入した点で歴史を変えたとヒロ内藤さんは語っています。
ことは1960年代からのお話し。
当時はまだ「クランクベイト」という呼び名すらなく、太っちょプラグ、プレグナント(妊娠中の)プラグ、卵型プラグなどと呼ばれていた。
原発のエンジニアとして働いていたテネシー州のフレッド ヤング(Fred Young)は1962年の冬、事故で脊椎を痛め、計4回の手術を受け一時は身動きができないほどになる。この大けがの療養により、あまり釣りにもいけないでいた中、ルアーを作って収入の足しにしていた。
300個近いプロトタイプを経て様々なウッドの材料を試した結果、バルサに素材が決まり、さらに600個近くのプロトタイプを経て形状やリップの角度、素材が決まっていったのがビッグオーの元。
Otis → Big Otis → Big-O
1967年から数年間、プロトタイプの製作とフィールドテストが繰り返される。フィールドテストを兼ねて弟のオーティス ヤング(Otis Young)が、兄の作ったクランクベイトを使って様々な大会で上位入賞をしていく中でルアーの評判も上がっていく。
オーティスは体格が良く(身長198㎝体重113kg)、ビッグオーティスと呼ばれていたことからルアーの名前は「ビッグオー」として知られていった。
1971年、初開催のバスマスタークラシックで優勝したボビーマーリー(Bobby Murray)
ボビーマーリー(Bobby Murray)が、コットンコーデル社(1957年創立)のプロモーターとしてコーデルのルアーを宣伝しながらあちこちのトーナメントに参加していた。そんな中、ノースキャロライナを訪れた時、ローカルの人間からビッグオーの話を聞く。当時すでに予約注文になっていてどこにも売ってなかったBig-Oをフレッドヤングのところにどうしても欲しいと直談判しにいき、仲良くなって一つもらう。
これはすごいとアーカンソー州にもどってホットスプリングスで社長コットンコーデル(Cotton Cordell)に見せる。
社長は、「バルサじゃないとできないと言っているフレッドヤングにうちとプラスチックでやろうと言ってもうんとは言わないだろう」と、とりあえずすぐにプラスチックのモールドをつくりコツコツと修正を重ねる。
ボビーからフレッドに連絡させて航空券を送って会社にきてもらう。
社長室で、やはりバルサじゃないとできないというフレッドヤングに、プラスチックで作ったビッグオーを渡して敷地内の池で投げてもらう。納得できないなら金型もつぶすし二度とこのルアーは作らないと言って。
アクションに納得して帰ってくるフレッドヤング。ロイヤリティ契約を結ぶ。バルサ製はこれからも作ればいいがオリジナルバルサに番号を入れてキリの良い番号のだけくれという話がされる。
1973年、コーデル社からプラスチック製Big-Oが発売される。
プラスチックで再現され量産されたBig-Oが発売されると爆発的に売れ、コットンコーデルの名を世に知らしめる。
アルファベット戦争
[参考]ここから他メーカーも追随し、競争が激化。ルアー名の後ろにアルファベット1文字を付けたクランクベイトが続々と発売される。
ボーマーはモデルA、バグリーベイトはバルサBシリーズ、レーベルはウィーR、ノーマンはNの文字をつけたアルファベット戦争といわれるクランクベイト界伝説の盛り上がりをみせる。
そしてクランクベイトはバスフィッシングの中心的なルアーになっていく。
・バスフィッシング ヒロ内藤(つり人社)
・バサー(No58 1996年10月号)
・必ず釣れるブラックバス講座(つりコミック編集部)
・youtube HIROismヒロイズムチャンネル