どんなに気をつけていても、どうしてもフックを飲まれてしまうことがあります。
そんなとき、大切な一匹を元気なまま水に帰してあげるために、必ずタックルボックスに入れておきたいのが「オエオエ棒」です。
プライヤーでは対応できないほど深く飲まれてしまったときや、すでに他人のフックを飲み込んでいる魚を釣り上げてしまったとき──。
その一匹を救うための、心強いアイテムです。
オエオエ棒とは

商品名はさまざまありますが、こうした形状のハリ外しを「オエオエ棒」と呼ぶのが、釣り人のあいだでは一般的です。
バス釣りでワームを使っていると、どれだけ注意していてもフックを飲まれることはあります。
- よそ見している間に…
- バックラッシュを直しているうちに…
- 気づいたら食ってた…
なんてこともよくある話。
また、あえて一呼吸おいて食い込ませるようなアワセをしていると、活性が高い時には意図せず飲まれてしまうことも。

さらに、自分は飲ませていなくても、釣った魚の口からラインが出ていて「すでに他人のフックを飲んでいた」なんてこともあります。
ハリが外せなくてラインを切ってリリースする・・なんてことにならないように、
ハリを掛ける方法だけでなく、外す方法もしっかりと身に着けたいもの。
多くの場合、プライヤーをエラから差し込んでフックを回す方法で外せますが、
それでも外せないようなケース──
フック回しが効かないほど奥まで飲まれていて、ラインが出ているような時。それでも、簡単にハズせるだけでなくエラも傷つけにくい優れたアイテム。
それが『オエオエ棒』です。
補足
エラからプライヤーを入れて飲まれたフックを外す方法については伊藤巧さんがTwitterでわかりやすく解説していたので紹介しておきます。
https://twitter.com/takumi_no_oheya/status/1001757763729375232
スミス フックディスゴージャー イージー針はずし

私が使っているのは、スミス社の「フックディスゴージャー」。
これもいわゆる「オエオエ棒」のひとつです。
他にも以下のような製品が存在します:
- カハラジャパン「おえおえ棒」
- コーモラン「オエオエスティック」 など
基本的な構造はどれも同じなので、メーカーや色は好みで選んでOKです。
使い方

形を見ればピンとくる人も多いと思いますが、一応手順を簡単に。

とにかく大事なのは「ラインを張る」ということ。あとは自分の気持ちを押し込むだけです。
特徴
- プライヤーでは届かないような深く飲まれたフックにも対応可能
- エラを傷つけにくい構造で、小型の魚にも安心
- 水に浮くので、水辺で落としても回収しやすい
サイズ

私の手元にあるモデルは全長170mm。最近は165mmタイプもよく見かけます。
参考までに、メイホーの「マルチケースL」の横幅が186mmなので、ちょうど横にすっぽり収まるサイズ感です。
タックルボックスに入れておいても邪魔にならず、持ち運びにも便利。
メーカーによってはさらに長い「ロングタイプ」も販売されています。
発案のルーツ

調べたところ、「Official Gazette of the United States Patent Office」という書籍の中で、
1948年ごろ、アメリカのLewis E. Hamelという人物が特許を申請していた記録がありました。
つまりこの形状、かなり昔から使われているんですね。
彼がどんな人物だったかはわかりませんが、今なお現役で使われるこの形を思いついた発想力は、まさに天才的だと思います。
おわりに
オエオエ棒を持つ意味は、「自分が掛けた針は必ず外して帰す」という気持ちだと思います。
オエオエ棒があったからこそ飲まれたフックをハズせる場面というのは必ずあります。
頻度は少なくてもその1回にはとても価値があります。
自分の魚でなくても、他人の針を飲んでしまっていた魚を助けることができたら──それだけで持っていた価値があるというもの。
「一匹の命」に価値を感じる釣り人には、必ず持っていてほしい。
そんな大切なアイテムです。
①ラインをしっかり張る
②張ったラインに沿って、オエオエ棒をフックの内側(懐)まで進める
③フックを捉えたら、勇気を持ってグッと押し込む
④フックが外れたら、ラインを張ったままゆっくり引き抜く