水温は、水中の環境や魚の状態を推測する上で重要な指標となります。
気温で人の動きが変わるように、水温で魚の動きは変わるからです。
得られる情報の価値とかける金額を考えたら、ハイコスパな「水温計」。
これまでも思考錯誤しながら色々使ってきました。
結局行き着いたのは一番シンプルで安価なアナログ式なんですが、自分が実際に使ってきたモノをメリットデメリットと共に紹介します。
■目次
スミス社の水温計
一番シンプルで単純な、昔ながらの接触式液体封入ガラス温度計です。
結局総合力ではこの手のモノが一番だと思いました。
足場が高くても、ラインに結んだり、結んであるルアーに引っ掛けて足元にゆっくり沈めると好きなレンジを計ることができます。
表水温ならフックに掛けてちょいと垂らすのが、かがまないので足腰にも優しく、ふいに胸ポケット等からモノも落とさないので安心。
ただし水温計そのものを落とさないように注意が必要です。
タニタ デジタル温度計 TT-533
デジタル表示のちょっとおしゃれな温度計です。
[メリット]
・はかった温度が見やすいホールド機能付き
・水温表示が見やすい
・SNSへの投稿などで水温をはっきり見せたいときに便利
・料理にも使える
[デメリット]
・水面に手が届く必要がある
・水面下のみの計測になる
・長さがあるのでポケットやバッグの外ポケットからはみ出す
最大の売りは表示の見やすさ。
表示をホールドできるので数値が見やすく写真映えするので、画像で温度を伝えたいときには〇。
料理用製品ですが防滴仕様になっており、液体の温度計測にも使えます。選べるカラーにオレンジ・ピンク・イエローなどビビットなものが多くあります。
使用するには水面に手が届く必要があります。
釣りの現場では水に漬けて表示温度が落ち着くまで待っているので、計測する手間は変わりません。
全体が20㎝ちょっとあるので、やや収納に不便を感じました。
AND防水仕様赤外線放射温度計 AD-5617WP
触れずに計れる非接触式の温度計です。
[メリット]
・小さくてコンパクト
・水に漬ける必要がない
・即計測できる
[デメリット]
・あくまで表面温度の測定
・計測値が本当にだいたい
・測定視野が1:1なので水面直上に手を伸ばして計測することになる
・精度の為になんども計測するので手間がかかる
おそらくフィールドの水温を計るという使い方には向かないんじゃないかと感じたのが正直なところ。
もちろん行くフィールドにもよります。
非接触でボタンを押してすぐ計れるとはいえ、水面近くまで手を伸ばす必要があります。
距離(D):測定範囲(S)が1:1なので水面から離れるほど誤差が大きくなるからです。
さらに、センサーの視野範囲に複数の物体があると数値のズレがけっこう出て、正確性に疑いが出ます。
なので、かなり水面に近づけて複数回の計測をする必要がありました。
±2.5度の精度も釣り場の水温を気にするような状況ではちょっと大きすぎるかなと。
以上の経験から
よくあるガラス製接触式がおすすめ
特に足場が高いときの使いやすさがフィールドでは一番生きてくると感じました。
ガラス製の接触式が安価な上使い勝手がよく、自由が効いて収まりもよいです。
デメリットはメモリ読みくらい。
気になったときには沈めてボトムの水温も計れます。
非接触式水温計はよく考えてから
一見便利そうだなって思ってしまいがちですが、私の場合は合わなかったです。
好みは人それぞれですが、購入前に使用状況を検討する必要があります。
特に測定範囲に他のモノが入ったり、油やゴミが浮いてると計測値がかなりズレました。
精度については、スミスもタニタも±1℃程度あるようです。
同じ箇所で計ると2つとも±0.5度内で同じ温度を指す一方、非接触式は1.2~2℃の誤差が出てました。
非接触式で計測値の正確性を出そうとすると計測回数がいりましたし、そのため結局時間がかかるという印象。
環境や使い方によりますが、信頼足る数字を出すのにそこそこ手間と時間がかかる上、お値段が張ったなーというのが正直な感想です。
水温が気になるとき
特に情報として水温が欲しいと思うときは、やっぱりシビアなタイミングが多い気がします。
そういうときは、水温によってその日の釣りが大きく変わることもよくある話。
なのである程度の正確性を重視してしまいますね。
ちなみに水温計は小物ケースに入れてレンタルボートのときでも必ず積んでいます。
ボートでもエリア間の水温差にあまりに乖離があるときとか、魚探の水温センサーの故障を疑ってしまうことがあります。
アナログの水温計ひとつボックスに入っていると、すぐ真偽を確認できますし、実際にセンサー故障のときも対応が効きます。
おわりに
水温は、季節のタイミングを狙い撃つときや、悩んだ時の道しるべとして、貴重な情報です。
記録をつけるにも情報に水温があるだけで情報価値もぐっと上がります。
まず1つということであれば、
信頼度と利便性の総合力で、アナログな接触式をおすすめします。
[メリット]
・小さくてコンパクト
・安価なものが多い
・水面からボトムまで計れる
・高い足場からでも結んで落とせる
・電池切れとは無縁
[デメリット]
・すぐに見ないと数字が変化する
・メモリが小さいと読みにくい