『パドリンビーバー3.5″』(ケイテック)、使用インプレッション。

パドリンビーバー3.5製品画像


『パドルテール』というカテゴリーをもう一度”考築”する の謳い文句で登場したパドリンビーバー。

昨今のフィールド事情をふまえ、カバーに潜むバスを釣るために導き出した回答、とのこと。

令和の時代のパドルテールワームです。

どうしてもパドルテールっていうジャンルを考えると懐古的な話になっちゃいますけど、90年代後半、ホッグ系ワームの台頭とダウンショットブームのなか、姿を消していったパドルテールワーム。

現行品だと他にメガバスのディープカップビーバーがかろうじてあるくらいだと思います。

それまでは当たり前のようにカバー撃ちといえばのテキサスだったり、ジグトレーラーにも使われていたパドルテールですが、再興の兆しになるのでしょうか。

歴代のケイテックカスタムパドル
上:初代ケイテックカスタムパドル 中:二代目 下:パドリンビーバー
パドリンビーバー3.5パッケージ
テールにクセの付きにくいブリスターパックでの登場。

パドリンビーバーのスペックと重さについて

全長:3.5”
入数:7尾入り(ブリスターパック)
重量:約8g
推奨フックサイズ:ストレートもしくはナローゲイプのオフセットフック#2/0~3/0


カラーや詳細な製品情報は公式製品ページ

全体的に近頃のケイテックらしい良い雰囲気でてますね。表面の僅かにザラついた質感も良い感じ。

全体的になだらかに繋がる流線的な美しさはないものの、不細工なわけでもない形状は、スライドフォールを意識した扁平ボディと重厚なパドルテールを上手くまとめています。

パドリンビーバー3.5横から見た図
サイズの割に重厚で存在感を感じるテールです。

流線状に薄くなる一般的なパドルテールワームのと違って、最後まで厚みを残したパドル部分はこのサイズにして存在感を強く主張します。またテール重量がキャスト時の飛行姿勢の安定にも一役。

細く絞られた接合部のおかげで従来の上下メインのパドルアクションに加えて横方向のフレがでるようになっていたり、よりフレキシブルなアクションに。

パドリンビーバー上下面画像
上面はザラザラ、下面はツルツルになってます。

全体をバルキーにすることなく上手くアピール力とのバランスをとっていて、カバーもボトムも釣っていくような低地系の湖沼とは愛称が良さげ。

今までのパドルテールと比べるとボディが扁平で幅広く、テールに存在感があるのがわかります。ボリューム感はウルトラバイブスピードクローくらい。

各種パドルテールワーム比較画像
左からドゥードゥルビーバー、LAキングパドル3.5、パドリンビーバー3.5、ウルトラバイブスピードクロー

また、3.5インチっていうのも一般的な食わせサイズに入るので、幅広く使えるワームになってるんじゃないでしょうか。

[リグ]
パドルテールっていう形状自体が撃ち系リグには幅広く使いやすいジャンル。

すり抜けを生かすならテキサスリグですが、パドリンビーバーももちろんヘビダンからジカリグ、フリーリグ、ラバージグのトレーラーまで守備範囲広く使えそう。

左:ダイワカバージグSS 右:ospゼロワンジグ セット例

使用感と使ってみたインプレ

ナローゲイプが推奨されていますし、その方がもちろん侵入力や抜けもいいでしょう。

HAYABUSAならTNSオフセットNARROWとか、RYUGIならLIMITの#2/0があたりがきっとベスト。

TNSオフセットナロー#2/0

でも普通のワイドゲイプフックでも不都合なく使えました。

むしろ回収時の回転に対する安定性がよかった気も。

TNSオフセット#2/0

オフセットされたテールのデザイン形状は、はじめは水を噛みすぎてフォールが遅くなったりしないかと心配もありましたが、そこまででもなく、水を逃がしながら上手にフレている様子。

回収時などは引き感もほぼないのでなにも付いてないかのようにスルスルきます。

シンカーウエイトも重要ですが、ボディデザインによってマットカバーへの貫通性能は良いですね。

余計なパーツはないので狭い隙間への出し入れはストレス少なめ。


これはパドリンビーバーがというより個人的にパドルテールそのものが、なんですが。シンプルが故に面白味はなかったりつまらないという感覚はあります。

ただ、だからこそツルンッと入ってストンッと落ちるって部分がパドルテールの良さで。

こんな葦際やブレイク下のオダ等複雑な沈みもので使ってみました。

パドリンビーバーはデザインでワンアクセント付いてるのでシンプルすぎず多少は違いますが、最近の自分の釣りで言うとヤマセンコー等ストレートワームのテキサスリグに似た感覚でしょうか。

抵抗がないのでスピードを生かした素早い上下動を見せて使うのも良さげ。同じウエイトでもスッと素早くスライドフォールするのでリアクション要素強めに感じます。

オダの上でフットボールのようにボトムバンプを繰り返してドンッと入った一匹。

霞のショアライン、カバー周りの釣りは割と入れれば食うっていう状況もあるんだけど、中でもパドリンビーバーはこのサイズ感とスピードスライドフォールで瞬間的に食わせる力っていうのも備えてると思います。

じゃあ例えば定番のエスケープツインとかドライブビーバーなんかとどう使い分けるかって言うと、もちろんシルエットもありますが、使う状況は似てきてしまう中で飛びぬけた性能差があるとも思えないので、もうそれは気分や好みで良いんじゃないかと。

ただ、ケイテックの質感、クオリティにしてこの価格、パドルテールの独特なアピールっていうのはやっぱりありますよね。


気になったのはパドル付け根とボディの強度。

細い部分が心配だった強度ですが、通常使用や、わりとライトなマットカバーくらいだと全然大丈夫。

でもボディ自体は強くはなくて、もっちりした素材じゃないので数釣る状況だと消費量は多くなってしまいそう。

ジカリグでも小バスを何匹か釣ってみましたが、やはりビチビチ元気だとボディが飛んだり、ブッシュ系カバーと戦うとテールが飛ぶことがありました。

おわりに

ホッグ系やクロー系ワームと比べると、パーツも少なくアクションの複雑性には欠けるかもしれないけれども、とにかく入れれば食うような状況で効率性を求めて行くのには選択肢にあると良いかもしれないですね。

パドルテールを知らない方は一度試してみても良いんじゃないでしょうか。

パドルテール独特のアピールと、3.5インチっていうサイズ感はダウンショット系のリグで試してみるのも面白そうです。

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