ジカリグは、構造上カバーを貫きやすく、水中姿勢も良好。
使い方も通常の底ものや撃ちもの系リグと変わりません。
好みに合わせて自作することも簡単。
私なりに使ってきたジカリグの特徴と使い方を解説します。
■目次
ジカリグとは
ジカリグとは、基本形としてフックとシンカーがリングによって可動域をもって一体化している仕掛けのことです。
リングの代わりにスナップを用いたり、スイベルを使ったりといくつかのパターンがあります。
その歴史は新しく、2010年頃からじわじわと浸透し、今ではすっかり一般的になりました。
杉戸船長のブログによると、韓国でエビリグと呼ばれていた仕掛けが発祥だそう。
そのネーミングは究極のショートダウンショットのイメージで、ラインをそのままフックのラインアイ付近に「直」接結ぶ事から、命名しました。
http://fexsugito.sblo.jp/article/41657340.html
正確には、「ジカリグ」というのはオーナーのカルティバブランドから発売されている完成仕掛けの商標名です。
同様のモノがカツイチのDECOYブランドからは「ゼロダン」として発売されています。
近年はこの手のリグを総称して、「リーダーレスダウンショットリグ」と呼ばれ落ち着きつつあります。
そもそもリグにネーミング競争が起こるようなことはユーザーとしては迷惑でしかないのですが…、
ここでは私の耳に馴染んでいるので『ジカリグ』として説明させて頂きます。
ジカリグの特徴
・一体感
フック・シンカー・リング(スイベル)が自由度をもちながらも単体としてまとまっているので、通常のダウンショットリグと比較して糸絡みなどのトラブルが少なくなります。
リグの結び外しもしやすく、取り回しの良さがあります。
例えばロッド1本でいくつかのルアーをローテーションする際には非常に便利。
これがテキサスリグやフリーリグとかだと、ちょっとリグを外して置いているうちにシンカーがコロコロ転がっていかないよう注意がいります。
・垂直フォール
最大の特徴は構造上、着水後シンカーが先行する形でまっすぐ垂直に落ちていきやすいこと。
テトラの穴など小さなピンを狙い撃ちする場合や、構造物に対して落とし込むような垂直な攻めに非常に有効になります。
岸際や構造物に沿って落としたいときや、粗朶等の杭と杭の間ぴったりに落としたいときには便利。
・カバーの貫通力
シンカー先行で沈下するため、カバー貫通力に優れます。
濃厚なカバーから抜くときのすり抜けに関してはテキサスリグに劣るものの、水面を覆うようなカバー周りでは軽いシンカーでも貫通性が良くなりますし、小さなポケットを狙うときの操作性も秀でます。
ワームの自由度
カバー内の中層で誘うようなときには、フックに自由度があるためワームがぶら下がり状態になりにくいのも特徴のひとつ。
そのため縦のロッドワークや、水中での上下アクションに相性が良いリグです。
またフックポイントが上を向く姿勢になるためフッキングも決まりやすくなります。
・根がかりやスタックに強い
オフセットフックとスティック型のシンカーを使うことで、ボトムスタックや根掛かりにも強くなるので、ボトム周りでの使用に長けています。
合わせるシンカーは状況によってスティック型・ナス型・涙型などを使い分けますが、私の場合はスティック型を使用することがほとんど。
メバルやカサゴ、ソイ、アコウなんかの根魚からヒラメやマゴチでも広く使われています。底を取りやすく根掛かりもしにくいので、これらの魚を狙うにはぴったりです。
ジカリグの使い方・アクション
ジカリグの主な使い方は以下の3つ。
①カバー撃ち
テトラから倒木やウッドカバー、葦際や、オダなどのインビジブルカバーまで、複雑なところへの出し入れがしやすいリグです。
カバーに入れて少し誘ってピックアップ。
着底したら何度かアクションを加えながら様子を見て、反応がなければピックアップを繰り返していきます。
②ズル引き
ボトム周りに強い特徴を生かして、ズル引きします。
スイミングを交えたりスピードの緩急を付けることもありますが、基本はボトムやモノに絡めるようにロッドワークで扱います。
特にオープンウォーターでは、ボトムを感知しながら意図的にスタックを作るくらいのイメージで操作します。
③リスト&フォール
接近戦で生きる使い方です。
ジカリグではフックに自由度があるため、ワームの動きを生かしやすく、より良いアクションを見せることができます。
竿を縦にあげ、そのまま下ろす。素早く上げてゆっくり落とす。小刻みにしゃくってみたりカーブフォールを交えたり。
※素早く上下させてメタルバイブのように使うセッティングができます。
特に冬季のシャローカバーでは、ジカリグで水の抵抗が小さいワームを組み合わせることで、メタルバイブのようにしゃくってもスピードが出しやすく、リアクション狙いにも良好な操作感があります。
ジカリグの気になるところ
逆にデメリットとまではいかないまでも少し気になるところについても。
①自作する際には、合わせるフックのアイの大きさに気を付ける必要があります。リングの太さに対してフックのラインアイが小さいと入らなかったり動きが窮屈になるためです。
②細身のワームと合わせるとスティックシンカーの存在感が気になります・・。
③一体感がマイナスに働くっていうことなんですが、シンカーウエイトを変えたいなんてときには致命的で、リグを組み直す又は交換することになります。
頻繁にウエイトを変える状況では、スナップを使用して作成したり、ノガレスのクイックチェンジャーシステムのようなシンカーの使用をおすすめします。
ジカリグの重さの使い分け
水深2mくらいまでは5gを基準にするのが扱いやすいでしょう。
底あたり感が強すぎれば3.5gに下げたり、流れがあったりボトムがとれないような時は7gに上げて調整します。
これ以上の重さが欲しい状況では、スティックシンカーがあまり大きくなるとシルエットが気になるので・・、他のリグに変えてしまいます。
おすすめ
個人的によく使っているのはカツイチのゼロダンワーム217の完成品。
5gの#1/0フックが一番使用頻度が高いです。
#1/0のフックサイズは、ドライブクロ―3in、ドライブビーバー3.5in、ヤマセンコー4inなどと相性が良く、使えるワームの幅も広いですね。
次点で5g-#2/0のモデル。こちらはエスケープツイン等ややボリュームのあるワーム用に。
それ以外のサイズは用途にあわせて自作して使っています。
自作する際ですが、デコイのオープンスイベルがシンプルにまとまるのでオススメ。
糸寄れ解消の意味もかねてスイベルタイプを使うようにしています。
収納
収納は本当に人それぞれだと思うので参考までにですが、
私の場合は上記のようにメイホーの小型ケースに区別して入れています。
おわりに
単体でまとまりよく幅広くつかえるジカリグ。
根掛かりすることも少ないので、ロストしにくい点も有難いですね。
・全体に一体感がある
・垂直にフォールしやすく上下の動きがさせやすい
・カバー貫通力に優れる
・ワームに自由度がある
・根掛かりに強い