エレキは速度調節の方式が大きく2タイプに分けられ、5段階変速のものと無段階変速のものがあります。
5段階は0/1/2/3/4/5のダイヤルでのざっくりとしたスピード調整。
無段階はその名の通り、ダイヤルツマミに区切りがなく段階なくスピード調整。
価格は、5段階は安価で無段階はお高め。
現行のX-3シリーズでも定価で5万円程度違います。
さて気になるのは、では価格差に対してどのくらい電力消費量に違いがでてくるのかという点について。
5段階と無段階には電流の使い方に違いがあります。
調べたところ、
5段階は、通常に電流を流しながらそれを抵抗で調整して各ダイヤル値に減速しています。このためダイヤルは1~5であっても、常に5の分の電流が消費されているイメージ。
無段階は、インバータによって周波数を変えてモーターの回転速度を連続的に制御するような仕組みで、ダイヤル値に合わせて必要なだけ電流が流れるイメージ。
そのため、電力消費量、いわゆる燃費に大きな違いがでてきます。
実際どのくらい違うのかっていうのを、知人がエレキの買い替えに際してバッテリーを計ったデータを提供してくれたので、許可をもらった上で紹介します。
5段階と無段階の比較
比較したのは、モーターガイドF43とFW54V。
モーターガイドの場合、無段階モデルは型番の最後にVが付きます。
使用バッテリーはみんな大好きM27Fですね。
計測はバッテリーアナライザーBM550。
高価な機械ではないですが残電圧値等は問題なく計れそう。
船はヤマハ フィッシュ12にエレキのみの装備。ローボート状態でエンジンなし。
バッテリーはエレキのみで使用し、魚探用は別電源という状況。
全てが同一条件にはできないものの、ざっくり使用環境を合わせて、だいたいいつもの様に釣りをしながら、経過時間を合わせて計測しています。
色々計れるようですが、時間経過と共に以下の値が記録されています。
結果で見ると、新旧モデルやポンド数の違いはあるにしても、デジタル無段階の方が2倍近く長持ちといったところ。
※踏み方や状況で変わるので、あくまで参考まで。
他の数値は…興味のある人は調べてみてください。
ちなみに自分は現在旧アナログ無段階を使用していますが、遠出しなければだいたい半日で12V台は残っていることが多いので、デジタル無段階ほどではないにしても近しいところにはいそうです。
アナログ無段階とデジタル無段階の違いは、デジタルの方が制御基盤によって電力消費をデジタル制御し、特に中低速域においてより低燃費になるらしいので、デジタル無段階のほうがよりバッテリー消費は抑えられる傾向にあります。
考察
結論、悩んだら少々お高くても無段階を買うべき。
今回のは一例にすぎませんし、バッテリー消費は状況や使い方にもよります。
それでも無段階のほうが格段に燃費が良いことは間違いなさそうです。
同じ使用時間なら、無段階のほうがバッテリーの減りも少なくて済むので、バッテリーの受けるダメージや充電時間も少なくすることができます。
ただ、燃費だけでなく他に、振動子をエレキヘッドに付ける場合、5段階は魚探画面にノイズが入りにくかったりする違いもあります。
ノイズが気になったり、常にエンジン船という条件や、使用時間が短ければ安価な5段階という選択もアリかもしれませんが、
一般的な使用を考えると無段階のほうが価格差以上の価値がありそうです。
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