90年代のバスバブル期に人気を博したルアーの一つ、ウッディベルのシャローラビット。
その後、派生モデルも多々生まれました。
名前からわかる通りシャロー用のクランクベイトです。
障害物回避能力が売りで、池沼の水生植物周りでのクランキングに強い、そんな触れ込みだったと思います。
私も当時は若く知見も浅いため、ただ投げて釣れてふーんで終わりでしたが、大きくなった今振り返るとなるほどそう言われる所以も見えてきます。

「シャローラビット」っていう名前と、愛くるしい見た目で、一度目にしたら忘れない雰囲気が秀逸です。
感性は人それぞれですが、良いネーミングセンスに感じます。
人気の原因には地味にこのネーミングもあったんだろうと思います。

ただ、名前に引っ張られてウサギとして考えちゃうと、ウサギの目は横付きなんですが…そんな無粋な理屈は気にならない程の、ラビットと言われて納得してしまう可愛げのあるタレ目とカラーデザインです。
おもちゃっぽいファンシーさと実釣性能がハイバランスに融合したルアーの一つではないでしょうか。

潜行深度は、がんばって1mほど。
固定重心のコトコトワンノッカーラトルで、引き感は軽くスルスル巻けます。
ボディ中央を支点にウォブリングメインのアクションで、ウォブル9ロール1くらいの感覚 。

クランクベイトとしては細身なので根掛かりが心配になりますが、モノに当たると思いのほか抵抗なくスルッとキレイに抜けてきます。
おそらく体高がなく極端な低重心になっていないのと、角が丸くとられたスクエアリップによるところで、軽い当たりで反応するんじゃないかと。
一瞬でヒラを打って背中がフックを守って抜け、そして、すぐ姿勢を戻します。
舐めるようにかわして、大きく弾くことはないので余計な根掛かりは回避。

アクション中は頭下がりの遊泳姿勢。
フロントフックはもとより、リアフックも左右にあまり降られず安定していて、上手くボディに隠れます。
なので中層でウッドカバー等に当てるのは平気。
この辺がシャローを根がからずに巻けるを目指した結果の設計なんだろうと思います。

だけどこの形状だからボトムを引いちゃうとどうしても底モノは拾いやすい。
ハードボトムだとボトムノックにも対応しますが、ボトムクローラーではないので基本的には中層使いがメインになります。
このボディデザインからしてバランス取りが難しいのは察するところで、早巻きは苦手。
あとフック絡みは起きやすいですね、テール先端から着水したときは特に。

今考えると、太ったエビのシルエットっぽいモコモコした形状が他にない点。
自分の行くフィールドだと舐めるように躱す点を合わせて、石積み・ゴロタ場などの落ち込みの途中に当てながらエビが逃げるイメージで使うのがハマる気がします。

サイズアップした「シャローラビット・ビッグ」。
長さ:ボディ約7.5㎝
重さ:実重量約12g
シャローラビットをそのまま大きくしたようなボディデザインです。
ビッグは泳がすと本当に大味で鈍重。
等倍で大きくすると、増大する浮力に対してこのウエイトとリップだとバランスがとれていないんだと思います。
ラッキー13とシャローラビットを足して2で割って、悪いところだけが残ったように感じます。
正味、見映えするカラーも多いのでインテリア要因と言っても過言ではないような。

それでも大きいサイズで使いたいときは、フロントフックアイに1.8g程度のウエイトを足すとどうにか使えるようになります。

調べると、クラップシューターオマージュな話も目にしました。
比べると確かに、ボディ(特にテール部分)は壊れにくいし、フックがスプリットリングで普通に交換できるようになっただけでも十分改善されてると思います。
ただアクションはクラップシューターの方がキレも振動感も好みです。

ちなみにシャローラビットはバランスが絶妙な故に、トゥルーチューンは必須ですが、
気を使ってあまりにも完璧なトゥルーチューンをしてしまうとアクションの途中で動きが止まるときがあるので、早く引いたときに僅かにどちらかに反れるくらいにしてレギュラーリトリーブで使うのがむしろ安定して使えると思います。
長さ:ボディ約6.5㎝
重さ:実重量約8g