コアなファンも多いポークトレーラー。
脂肪のもつ浮力や、天然素材故の独特なアクション、雰囲気は変わるものがありません。
ジグ&ポークの世界に触れてみたいと思ったときに、今最も入手しやすいポークトレーラーといえば釣り吉ホルモンのピッグシリーズではないでしょうか。
2016年、ビッグダディで有名なポークルアーの老舗アンクルジョッシュ社が、ポークルアーの製造停止を表明。
翌年、2017年から国産のポークルアーがどっと増えました。
そんな中、ジグトレーラーとしての存在を確立したのが「釣り吉ホルモン」。
ビッグダディ型ポークトレーラーを国産クオリティで仕上げたのが「ピッグダディ」です。
釣り吉ホルモンは大元が食肉処理・加工・販売業を営む会社。
そのため、トレーラーに良い部分にこだわって選別できたり、製品のバラつきを抑えた安定生産を可能にしています。
アンクルジョッシュ「ビッグダディ」との比較
それぞれにかなり個体差があるので一概には言えませんが、うちにあった未使用のビッグダディと比較してみました。
全長は同じほど。頭のかたちが違うのと、足の幅とボリュームはピッグダディのほうがありますね。
手元のものだとピッグダディのほうが肉厚で重厚です。
各2匹ずつ重さも計ってみましたがピッグダディのほうがやや重め。
やはりビッグダディのほうは皮の硬みが残っていて、もう少し柔らかくしたいと思ってしまいます。
これが使う部位の違いなのか、肉厚で十分なボリュームと柔らかさがあるので個人的にはピッグダディの質感のほうが好きですね。
当たり外れの問題や柔らかくする努力を考えると、ピッグダディのクオリティで普通にお店に並んでるのはありがたいですね。
ちなみにアンクルジョッシュのビッグダディは2021年に一度復刻されています。
各サイズ感の比較
3種並べてみるとこんな感じ。
おおよそ2cmずつの違いですが、手にしてみると各サイズかなりボリューム感が違います。
バラつきがあるのは、良い悪いじゃなく天然素材なのでしょうがない部分です。
ピッグダディ
●ピッグダディ
2匹入り
約10cm
ボリュームのあるフルサイズのジグに合い、一般的なジグに合わせてもビッグフィッシュ狙いのボリューム感をプラスするオリジナルサイズ。
肉厚で重厚な存在感とアクション。
テールの長さと厚み、柔らかさが醸し出す艶めかしさはこのサイズならではです。
エバーグリーンキャスティングジグや、デプスフラットバックジグ等、身の厚さもあるので、ボリュームがあって大きいサイズのフックを搭載したジグと相性が〇。
ピッグマミー
●ピッグマミー
2匹入り
約8cm
一般的なジグサイズに最も幅広くマッチするサイズ。
サイズ感も厚みも、全体的にピッグダディをサイズダウンさせたイメージ。
ospゼロワンジグやダイワのカバージグSS等、一般的なサイズのジグに合わせて最もバランスの取れるサイズです。
ピッグダディJr.
●ピッグダディーJr.
5匹入り
約6cm
コンパクトジグやスモラバに合わせやすいスモールサイズ。
脂身メインに造形されたジュニアは、柔らかさと高浮力が魅力。
どこからでも自在にフックを指し抜けるのと、高い浮力でマス針仕様のダウンショットなども〇。
ボトムアップギャップジグや各スモラバ、TGブロー等小型のジグに合わせるならこのサイズです。
GAPジグ5gとピッグダディJr.の組み合わせは、川村光大郎さんが2021年陸王チャンピオンカーニバルで優勝したことでも有名になりました。
インプレ
一通り使ってみました。
どれもいい雰囲気でてますね。
マミーが登場したことでどんなサイズのジグにもバランスよく合わせられるようになりましたが、せっかくならダディーで釣りたい。
やっぱりね、ダディが一番サイズがある分、艶めかしいアクションが出ます。
で、割とキーパーサイズくらいも平気で食ってきちゃう。
レギュラーサイズも含めてダディーまでは食い切る元気がない状況や、食いミスされたくない時はマミーに落とすような感じでしょうか。
コンパクトジグとかスモラバ系にサイズ感が合うのがジュニアですね。
現場で感じたことですが、
ワイヤー型のトレーラーキーパーがついてるラバージグを使うときは、魚がかかった時に押されてポークの身にキーパーが入ると取るのに大変なことになります。
穴もグズグズに広がって使用中に抜けやすくなってしまいます。
事前にプライヤー等で曲げておいたり、使用済みのワーム片を刺して覆っておくのがオススメ。
容器から出したときは塩分で身が締まっていて硬みも感じますが、水に漬ければすぐにかなり柔らかくなります。
よりテロテロ派な人は軟化剤等を使用するとより柔らかくできます。
が、ピッグシリーズは手を加えなくても十分と思います。
今のところ使えない個体には出会ってません。
とはいえ天然素材なので個体差はけっこうあります。
でもその個体差を楽しんだりとか、耐久性があって1つを長く使えるからこそ、一匹一匹に味が出てくるような使い込んでいく過程も楽しみのひとつ。
育てるという言葉もありますが、だからこそロストすると非常に残念さが残りますね。
不意に飛んでいかないようにデコイのバーサタイルキーパーを通しておくと安心です。
適水温は20℃未満くらいまで。
とくにJr.は脂身メインのため元々かなり柔らかいので、夏場に使用すると色落ちも激しく、バスのバイトで千切れることもあるくらいの脆さが目立って…けっこう消耗品だと感じます。
保存液が飽和食塩水なので、容器から取り出すときに気をつけないと保存液が垂れたところは乾燥すると塩分で白くなります…。
容器
豚デザインのブラック基調な容器。
遮光性だけでなく内蓋の密閉力がかなりあって、ふつうに押しても閉まらないくらい。
中央を指で押して空気を抜くようにしながら、ヘリを押し付けるようにすると上手に閉めれます。
管理
天然素材がゆえに管理には気を使います。
ポークはカバーと闘ったり、数を釣ってもワームのように裂けたりヘッドがグズグズになることなく、抜群の耐久性を見せます。
反面、乾燥と腐敗は大敵。
一度乾燥してカピカピになると使えなくなってしまうため、定期的に水に漬けるか、使わないときは容器に戻す必要があります。
夏晴れた日にボートデッキ上に30分放置したらけっこうヤバいです。
違う釣りをしているとき等は、いらないタオルを濡らして包んでおいたり、専用のポークキーパーを使用すると釣りが楽になります。
保存
保存は飽和食塩水。静菌効果によって腐敗を進めずに保存することが可能。
公式の案内によると防腐剤等は使用しておらず、純粋に限界濃度の塩水、飽和食塩水が良いとのこと。
飽和食塩水とは、水に食塩を目一杯溶いて、もうこれ以上溶けない状態の塩水のこと。
[簡単な作り方]
①水を鍋で温めながら塩を足しながら混ぜて溶かしていく。
②溶けきらない塩が鍋の底に溜まった状態で完成。
③飽和状態になればそれ以上塩分は上がらないので、塩は入れすぎても大丈夫。
使用して水分を含んだポークを戻すと、その分保存液の塩分濃度が下がります。
釣行後は塩を足すか、保存液を新しく入れ替えることが推奨されています。
容器の底に溶けきれなくなった塩が溜まっているくらいがむしろ良く、塩分濃度が15%を下回ると腐敗が始まるようなので、気を付けたいところです。
おわりに
ジグ&ポークという一つのジャンルを作り出し未だ根強いファンもいるジグ豚の世界。
ジグのトレーラーにポークリンドを使う人が未だにいるのは、それだけ心を惹きつけるものがあるということ。
特にダディサイズは、サイズ故の艶めかしさがたまりません。
ビッグフィッシュを惹きつけるなにかっていうのは確かにあると思います。
・ピッグダディ :約10cm 約14g
・ピッグマミー :約8cm 約10g
・ピッグダディJr. :約6cm 約5g
※個体差・バラつきも大きいので大まかな参考値です。