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霞ヶ浦はデスミガウラなのか、言葉の違和感について思うこと。

「デスミガウラ」

いつ頃から言われ始めたのかは定かではありませんが、近年、霞ヶ浦を指して使われるこの言葉を耳にする機会が増えました。

あまりにも釣れない状況を表現する、「デスレイク(死の湖)」と「霞ヶ浦」を掛け合わせた造語です。

とはいえ、事実として霞ヶ浦が生命の存在しない“死の湖”かといえば、そんなことはありません。

魚はいますし、漁もあります。水辺には多くの生き物が息づいています。

なによりシーズン中はわりと良い釣りができることも多々あります。

正直なところ、私自身も以前はこの表現を深く気に留めていませんでした。

しかし、あるときふと引っかかりました。

「この表現って、メディアやプロが公に使うべきものなのだろうか?」と。


釣り人の自虐としては、よく分かる

釣りは釣れないことのほうが多い遊びです。

釣れなかった原因を湖やフィールドのせいにしたり、自虐的に「デスミガウラだなあ」と笑い飛ばしたりする。

仲間内での会話やネタとして使う分には、一つのコミュニケーションかもしれません。特に問題ないと思っています。

気持ちを切り替えるための言葉、ガス抜きとしての表現。それ自体を否定するつもりはありません。


違和感を覚えたのはメディア発信の場で使われるとき

ただし、その表現が俗的な域を超え、

  • プロアングラーの発信
  • 釣り番組
  • メディアとしての放映

の中で、あたかも周知の事実であるかのように扱われる場面を見ると、強い違和感を覚えます。

あくまで一例としてあげると、近頃目についたものですが、

釣りビジョン
BLACK BASS STAR 7
季節の変わり目・デスミガウラで水面炸裂!

そもそも「死の湖」で「水面が炸裂する(魚が激しく食いつく)」というのは、言葉として明らかに矛盾していますが…

にもかかわらず、番組内では「デスミガウラの異名をとる湖」として紹介されていました。

他にも「デスレイクで有名」「デスミガウラ恐るべし」などとテロップが入ります。

ここに、違和感を覚えました。

そのフィールドの恩恵を受けて利益を得ているプロやメディアが、自らその場所の価値を貶めるような発信をするのは、健全な姿とは思えません。


この構図を別の例に置き換えて考えてみます。

もし他の専門番組、例えば旅番組が、実際に人々が暮らしている街を訪れて、「ここはゴーストタウンとして有名な場所です」と紹介したらどうでしょうか?

住民同士が自虐ネタとして「うちはゴーストタウンだからね~」と笑い合うのは分かります。

でも、番組やプロの立場でそれをやるのは、あまりに配慮に欠ける行為ではないでしょうか。

過疎化が進んでいるのが事実だとしても、それを伝えたうえで、
「でも、こんな良いところがあります」
「こんな魅力があります」
と伝えるのがPRであり、メディアの役割ではないでしょうか。

極論ですが、政府広報が「日本はデス列島です」なんて言ったら、大問題ですよね。


プロなら、別の言葉を作れるはず

もちろん、事実を捻じ曲げる必要はありません。

釣果が厳しい時期やエリアがあるのは事実です。

でも、だからこそ、

近年は良い釣果を上げるのが難しい霞ヶ浦ですが、でも、こんな釣り方もあるよ、こんな楽しみ方もいいんじゃない?

そういう表現を作るのがプロの仕事なんじゃないかと思います。

個人が好き勝手に言うのと、影響力のあるプロアングラーやメディアが発信するのとでは、重みが違います。


霞ヶ浦で頑張っている人たちの顔を思い浮かべてほしい

霞ヶ浦で釣りをしている人。
霞ヶ浦で漁労に携わっている人。
霞ヶ浦で観光業やサービス業を営んでいる人。
霞ヶ浦というフィールドに誇りを持っている人。

そんな人たちが、一生懸命向き合っている場所を専門番組や専門家から
「デスミガウラ」
と公然と呼ばれて、良い気がするでしょうか。

「デス(死)」という言葉を投げつけられて、良い気持ちがする人は一人もいません。

正直、腹立たしく思っている事業者の顔も浮かびます。快く思っていない人の話も聞きます。

事実無根の表現で場所のイメージを損なう必要はないですよね。

特に釣り人からの収益で成り立っている業界にとっては、専門番組からデスミガウラと批評されては、風評被害にも繋がりかねません。

もし霞ヶ浦が人だったら――事実無根のレッテル貼りで社会的価値を下げられる、名誉毀損に近い話です。(もちろん湖は人ではないので法的には当てはまりませんが)


共感できる意見に出会った

そんなことを考えながら色々調べていたとき、近い考えを持つ方の意見を見つけました。

引用
いやぁ不思議だ。なにがって「デスレイク」って造語です。あまりにも釣れない状況の湖を指す言葉。今年の夏くらいに、某氏と話をしててその言葉を使い始めたんです。けど、あくまでも会話だけで使ってました。ブログにはちょっと書けないです。何故なら、その湖で飯を食っている人もたくさん居るので、たとえ個人ブログでも部外者が気易く書いたらダメだと思って。

UNITORO

デスレイクという言葉についての意見でしたが、やはり「軽々しく使う言葉ではない」という認識は共通していると感じました。


デスというほど、死んでいない

これだけ広大な湖ですから、釣るのが難しいのは当たり前です。

でも、トーナメントの釣果は公表されていますし、漁獲もあります。渡り鳥もきます。

当たり前ですが、霞ヶ浦にはたくさんの生き物がいます。

「デス」というほど、死滅した湖ではないと思います。

そもそもが、簡単には釣れない魚を、あえて難しい釣り方で釣ろうとする遊びをしているので、難しいのは当然です。


だからこそ、そろそろやめませんか?

仲間内の冗談や自虐ならともかく、プロやメディアが公式に使う言葉として、

「デスミガウラ」

そろそろ、釣り媒体でこの表現はやめませんか。

同様に発信者も少し慎重になったほうが良いのかなと思います。

霞ヶ浦で頑張っている人たちがいます。

そんな人たちとフィールドへのリスペクトを持つべきで、むやみに蔑み、貶める必要はないと思うんです。

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